私は「英語嫌い」「高校の通知簿で赤点」「大学受験英語の勉強もしていない」という状態から本格的に英語学習をスタート。
学習を続けた結果、TOEICのスコアは480点(初回)から900点になりました。
【Before】TOEIC480(L:260 R:220)
【After】TOEIC900(L:495 R:405)
自分の勉強の過程と方法については上記の記事に書いたものの、月日は流れ、TOEIC学習に使用可能なツールや教材も変わりました。
現代におけるベストな学習方法とは少しずれてきているなと感じています。
そこで今回は、TOEIC900点を取得した今だからこそ思う【2020年度版:ゼロから始めるTOEIC勉強法】を書いてみたいと思います。
対象読者は「かつての自分のようなゼロスタートの人」。
このような人が「効率よく英語力をつけて、TOEICスコアをアップする方法」を意識して書きました。
参考になれば幸いです。
目次
ゼロから始めるTOEIC勉強法
英語レベルにより勉強する内容が異なるため、レベルごとに書いていきます。
低レベルから高レベルの順番に書きます。
具体的には、上記の3レベルに分けて書いていきます。
自分のレベルにあった所から読みたい人は、上記のリストのリンクからジャンプできます。
英語力ゼロから、TOEIC500点までの勉強法
英語力というのは、簡略化して表現すると上記のような図で表現できます。
英単語や英文法というのは、全ての能力の土台となる重要な部分。
まずはここを強化します。
語彙力(単語力)の重要性
Can you lend me some money? I'm short of cash.
(お金を少し貸してくれませんか? 現金が足りません。)
まずは英単語の重要性に関して。例えば、上記のような英文があったとします。
全単語の意味を理解していれば、意味がとれそうですね。
しかし、仮に「lend(貸す)」と「be short of ~(~が不足する、~が足りない)」の意味がわからない場合、下記のような状態に陥ります。
(お金を少し...ませんか? 現金.....。)
つまり、知らない単語の部分は雑音でしかないので、穴あきになります。
これでは、リスニングもリーディングもしようが無いですよね?
リーディングとかリスニングをする前に、まずは英語力の基礎となる語彙を鍛えるのは重要なのです。
特に英語力ゼロの人は単語もスッカラカンですから、よく使われる英単語はしっかりと覚えていく必要があります。
文法力の重要性
次に文法の重要性について。わかりやすく、極端な例からいきましょう。
私はあなたが好きです。
この並び順、ありですかね?なしですよね?
英語と日本語では並び順、つまり文法ルールが全く違うので、上記のような表現は不可です。
(お金を少し貸してくれませんか?)
- 助動詞のCanが前にきているから疑問文。Can you ~? の形なので依頼
- 助動詞のcanがあるので、動詞のlendは原形になる
- このlendは他動詞だから目的語をもつ。目的語には名詞が入る。今回はmeがきている。だから"私に貸す"という意味
上記の英文も、このように英文法を理解しているからこそ意味がとれます。
文の意味を理解するためには、単語だけでなく文法も重要なのです。
英文法を学習する教材
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中学英語の文法を基礎からやり直すおすすめ本まとめ
具体的には上記の記事で紹介しているような英文法本で、英文法を学びます。
私の場合であれば「中学3年間の英語を10時間で復習する本」か「中学英語をもう一度ひとつひとつわかりやすく。」あたりをメインで進め、今後の学習時に辞書的に利用する用途の為に「一億人の英文法」を手元に置いておく、という感じにするかなと思います。
しかしながら、言いたいことは英文法を勉強して習得するのは大切な事だよという事。
ここで紹介しているもの以外でも「大学受験でForestを1回使った事あるから使いたい!」というならそれで良いです。
勉強の結果「英文法が身についている」という状態になれているか?というのが重要ポイントですからね。
ご自身に合うものがあればそれを利用すればOKです。
とにかく「現在英語力ゼロ」のような場合、中学高校レベルの文法は理解できるように勉強します。
語彙力を強化する教材
語彙に関しては「DUO3.0」か「TEPPAN英単語」のどちらかで自分は進めると思います。
それぞれ一長一短あるので、どちらを使うかは迷います。
詳細は、下記でそれぞれ説明します。
DUO3.0について
DUO3.0は、1つの例文内に複数の重要単語・熟語が入っているため、1例文を丸ごと覚えると、もれなく複数単語を暗記できます。
We must respect the will of the individual.
(個人の意志は尊重しなければいけない。)
上記はDUO3.0の最初の例文ですが、これ1つ覚えると「respect(尊重する)」「will(意志)」「individual(個人)」と重要単語を一気に3つ覚える事ができます。
全部で560本の例文が収録されており、これを暗記すると「単語2569語」「熟語997語」で「合計2,569語」を暗記する事ができます。
普通の単語集だと、例文1本につき単語1個なので、効率が全然違います。
特に、語彙すっからかんみたいな人が一気に語彙増強したいときにはおすすめです。
ただし、TOEIC特化の単語集ではないので、学術系などTOEICではあまり出ない単語も含まれています。
そのため、TOEICに向かないと言う人もいますし、まあその点はその通りだなと思います。
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TOEIC480から590を達成した勉強法【4ヶ月で110点アップ】
とはいっても、上記記事にも書いたとおり、メイン学習「DUO3.0の例文暗記」で実際TOEIC590を取れたわけです。
大きな成果をあげており、個人的には信頼もしています。
たまにTOEICに出ない単語が混じるとはいえ、結局のところ多くは被っていますからね。
DUO3.0を使う場合、暗記法としてはシャドーイングをメインに例文ごと重要単語と熟語を丸暗記するという方法を採用します。
ですので、発音も先にやります。
下記の「UDA式30音練習帳」を利用し、このタイミングで1-2週間くらいでざっと学習します。
TEPPAN英単語について
TEPPAN英単語はスタディサプリENGLISH TOEIC対策コース(ベーシックプラン)に入っている、TOEIC対策特化の英単語集です。
レベル別に単語も別れており「TOEICに出るものに特化して学ぶ」にはベストです。
英単語を見て、4つの日本語の選択肢から選ぶクイズ形式です。
DUO3.0のようにただ丸暗記を頑張る訳ではなく「クイズ形式の問題を解く」という行為で単語を覚えるので、効率も良いです。
学生時代「友達と問題を出し合う」みたいな事をすると、暗記しやすかったりしましたよね?
え?友達がいなかったって?
じゃあ、パパとかママでもいいです。ばーちゃんでもじーちゃんでもいいです。
まあとにかく、それと同じ原理で「問題を解く」というアクションは、記憶に残りやすいんです。
正直、アプリというITの仕組みを活用した学習ツールが出て来たことにより、書籍であるDUO3.0は古臭い語彙学習ツールになってしまった感はあります。
時代が進むと色々パワーアップします。
FAXよりもe-mail。ワープロよりパソコン。ガラケーよりスマホ。
現代のツールに、正直いって効率で勝るのは難しいです。
あとあるTEPPAN英単語の問題点は、スタディーサプリTOEICが「月額約3,000円」と金食い虫な点です。
ぶっちゃけ、高いですよね、TOEIC特化で、暗記効率も良いとはいえ。
そこが許容できない人はDUO3.0。
投資だと思える人は「TEPPAN英単語」という感じですかね。
後述しますが、スタディサプリのTOEIC対策コースは総合的に優れているので、そちらを使おうと決めた人はTEPPAN英単語が良いです。
同じアプリ内に入っていますからね。
スタディサプリTOEIC対策コースは使わない。DUO3.0も使わない。
そういう場合は、スタディサプリ英単語が全部無料でおすすめですね。
公式サイトスタディサプリ英単語
TOEIC対策問題集を解く
「英語力ゼロからTOEIC500点までの勉強法」のメインとしては、上記の英文法と語彙で良いと思います。
ただ、TOEICスコアをアップしようと思っているので、TOEICの形式の問題を全然解かないというのは、さすがに違うかなと思います。
ですので、TOEIC対策問題は解きます。
しかし、取り組むパートは下記のとおり「パート1」と「パート2」に絞ります。
TOEIC500以下のレベルのTOEIC学習は、パート1とパート2のみでOK
テスト前に1回全体を解くことは大切ですが、通常の学習時には全部はやりません。
「パート1」と「パート2」だけ勉強します。
パート1と2に絞る理由は他のパートはこのレベルの人に対しては語彙や文法が難しすぎるからです。
TOEICというのは、英検と違い3級、2級など級が別れていません。
TOEIC200点レベルの英語力の人も、900点レベルの人も同じ問題を解きます。
ですので、おのずとTOEIC200点レベルの人は問題を解こうとしてもほとんどが意味不明ですし、900点レベルになるとほとんど分かります。
TOEIC500点以下の人が勉強するのにちょうどよいのは「パート1」と「パート2」です。
1つの英文も短いですから、学びやすいですし、リスニング学習にもなります。
まずはここを中心に、コツコツと勉強です。
パート1とパート2の勉強方法
- 1回普通に解く
- 解説を読む。
- 文法を意識して、文の構成を理解する。わからない文法事項があれば調べる
- 未知の単語があれば覚える(覚えよう努力して声に出したりする)
- ディクテーションする
- シャドーイングで復習し、学んだ単語や文法事項を定着させる
勉強方法は、上記の感じです。聞き流す学習はダメです。
「聞き流すだけで英語がわかる!」というような人の弱みにつけこんだ某教材のマーケティングワードは忘れましょう。
そんな方法で英語ができるようになるわけがありません。
問題中に出て来た文章は、文法から全て理解するようにします。
未知の単語も覚えるよう努力します。
そして、リスニング力をアップする為にディクテーションします。
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ディクテーションとは?やり方とその効果
移動中など、問題を解いたりディクテーションできない場合は、シャドーイングを用いて復習し、学んだ単語や文法事項を定着させるようにします。
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シャドーイングとは?音読とは?効果と概要
これをやると、めちゃくちゃ力がつきます。
かける時間にもよりますが、一気にTOEIC600点も目指せると思います。頑張りましょう。
TOEIC対策におすすめの教材
「TOEIC公式問題集」や「特急シリーズ」も悪くは無いですが、やっぱり断然おすすめなのはスタディサプリENGLISH TOEIC対策コース(ベーシックプラン)ですね。
唯一の欠点は、先ほども述べましたが月額およそ3,000円かかる「金食い虫」なところです。
自分も時給750円で「おばちゃん達に囲まれつつ、ひたすらで野菜を袋に詰めるバイト」や「朝から晩までバナナ5本の束を1本ずつにカットするバイト」をしていたので、2,500円がサクッと出せる金額でない事は良くわかります。
まあでもそこは、目標TOEICスコアをしっかり達成して将来的にコスト回収するという発想の転換ができるかがポイントですかね笑。
そこさえ乗り越えられれば文句の付け所が無い教材です。
ディクテーションやシャドーイングの機能も、デフォルトでアプリに入ってるので、学習効率が桁違いに高いです。
アプリ・PCだけで完結できるので細切れ時間の積み上げも可能。
TOEICスコアを100点あげるのには、およそ300時間程度必要ですので、いつでもどこでもさっとできるのは、忙しい人ほどありがたいです。
自分がTOEIC500以下レベルの時は、このアプリは無かったので使えませんでした。
でも、もしあったとしたら、おばちゃん達と共に稼いだバイト代をつぎこんでたと思います。
- 通常、月額3,278円 -
- 6ヶ月パックなら月額3,058円 -
- 12ヶ月パックなら月額2,728円 -
- 1週間無料お試し -
(※無料期間は申込日を1日目とします)
- 返金保証あり -
*申し込み画面途中にでてくる、お得なキャンペーンコードは、現在は配布されておりません。
英語力ゼロから、TOEIC500点までの勉強法【まとめ】
- 英文法を学び、中学・高校文法までを理解する
- 語彙力(単語力)をつける
- TOEIC対策問題集で、パート1とパート2を勉強する
詳細に書いたので長くなりましたが、まとめるとやることは上記のとおりです。
学ぶ順番としては「英文法→TOEIC対策問題集」の順が良いです。
文法が分からない状態でTOEIC問題のテキストを確認しても、結局文章が理解できず終わってしまいますからね。
語彙学習は、学習期間を通してずっと行います。
学習の比重としては「英文法と語彙に8割」「TOEICパート1とパート2に2割」というくらいで良いでしょう。
これだけで十分TOEIC500は達成できると思います。
語彙学習とパート1とパート2の学習の進み具合によっては一気にTOEIC600も可能だと思います。
自分が今英語力ゼロの状態に戻っても、上記の感じに勉強すると思います。
TOEIC500からTOEIC600までの勉強法
- 語彙力(単語力)をつける
- TOEIC対策問題集で、パート1とパート2を勉強する
- TOEIC対策問題集で、パート5を勉強する
基本的な中学・高校英文法の学習は、既にだいたい終わっているかと思いますので、削ります。
そして、TOEICのパート5の文法穴埋め問題を追加します。
文法穴埋め問題は、文法セクションの中で最弱の部類。
例えるなら、文法セクション界のスライムです。
まずはこいつで得点を稼ぎににいきます。
短い文章が理解できれば、長い文章も理解できるので、今後パート6とパート7にステップアップする前の助走期間とも言えますね。
比率は「語彙学習に5割」「TOEIC学習に5割」という感じで良いかなと思います。
もし語彙学習が終了したら、基本的にはパート1とパート2とパート5だけひたすらやっていれば良いです。
もちろん本番対策の為に、その他のパートをやるのも良いですが、比率はこの段階では少なめで良いかなと思います。
これで、TOEIC600は十分に達成可能だと思います。
TOEIC600からTOEIC900までの勉強法
- TOEIC対策問題集で、全パートを勉強する
- 苦手なパートや分野があれば、そこを中心に勉強する
TOEIC600点レベルになると、パート1、2、5以外のパートを解けるような英語力もついてきています。ここからは他パートの学習も始めます。
パート3とパート4の勉強方法
- 1回普通に解く
- 解説を読む。
- 文法を意識して、全文章の構成を理解する。読めない文があれば、ちゃんと調べて読めるようにする
- 未知の単語があれば覚える(覚えよう努力して声に出したりする)
- シャドーイングや音読で復習し、学んだ単語や文法事項を定着させる
問題をしっかりと集中して解きまくる。復習する。やることはそれだけです。
パート6とパート7の勉強方法
- 1回普通に解く
- 解説を読む。
- 文法を意識して、全文章の構成を理解する。読めない文があれば、ちゃんと調べて読めるようにする
- 未知の単語があれば覚える(覚えよう努力して声に出したりする)
- シャドーイングや音読で復習し、学んだ単語や文法事項を定着させる
パート6と7についても、進め方は同じ感じです。
流す勉強は意味がないので、上記の通り細かいところまでしっかりやることが大切です。
やり込み次第で、最終的な学習結果がTOEIC700になったり800になったりはしますが、基本的には上記の学習でTOEIC900までは達成可能だと思います。
TOEIC学習をやめる時期
また、TOEIC600以上を目指していくレベルになると「どこでTOEIC学習を終了するか?」というのもポイントの1つになります。
自分のTOEIC学習経歴は上記のとおりで、これをみるとわかりますがTOEIC840→900の60点アップにすごく時間がかかっています。
これは、自分のモチベーションが低かったというのもありますが、そもそも「TOEICはハイスコアになってくると同じだけ学習してもスコアが伸びにくいという特徴がある」というのも理由の1つとしてあります。
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【スコア別】TOEIC100点アップに必要な学習時間の目安
人生の一時期をTOEICに捧げるのはかなりコスパが良いと思いますが、個人的にはTOEIC以外にも人生重要な事はあるのではないかなと思います。
TOEIC700-800あたりになれば、基本的な英語力もだいぶついてきているので、人によってはオンライン英会話などを利用してアウトプット能力の向上に力を入れた方が、実務的には役立つかもしれませんしね。
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英語のアウトプット学習にはオンライン英会話がおすすめ【コスパ抜群】
私のようなものづくり系のエンジニアという職種なら、TOEIC650くらいで十分というのもありえます。要は、ゴールのスコアは目的次第ということです。
自分に必要なスコアだけとってサクッと卒業し、人生の次のステップにいくというのも良いのではないかなと思います。
個人的には、一般的な大学生や社会人ならTOEIC750-850あたりがコスパ的には良いかなと思ってます。
ゼロから始めるTOEIC勉強法【総まとめ】
英語力ゼロから、TOEIC500点までの勉強法
- 英文法を学び、中学・高校文法までを理解する
- 語彙力(単語力)をつける
- TOEIC対策問題集で、パート1とパート2を勉強する
TOEIC500からTOEIC600までの勉強法
- 語彙力(単語力)をつける
- TOEIC対策問題集で、パート1とパート2を勉強する
- TOEIC対策問題集で、パート5を勉強する
TOEIC600からTOEIC900までの勉強法
- TOEIC対策問題集で、全パートを勉強する
- 苦手なパートがあれば、そこを中心に勉強する
英文法学習用の教材
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中学英語の文法を基礎からやり直すおすすめ本まとめ
語彙(英単語)学習用の教材
・TEPPAN英単語(スタディーサプリTOEIC対策コース内)
公式サイトスタディサプリ英単語